ある中国人の話によると、「日本人は法律が出来るとどうやって法に触れないかをまず考える。中国人は法律が出来るとまず法の抜け道を考える。」とのことです。これは文化の違いとも言えるでしょう。
海外取引ではこの文化の違いが原因でトラブルが起こることもあります。自分の常識が相手の常識とは限らないのです。相手の商売のやり方を十分知っておかないと、後で自分が痛い目にあうのですが、そういう時には永年の経験が役に立ちます。

また、これは文化の違いという訳ではありませんが、永年この仕事をしているとびっくりするような話も時々耳にします。 かなり前の話ですが、プラスチック原料は高い関税がかかるため、一級品原料に水（真水）を入れてオフグレードとして出荷した話なども聞いたことがあります。
　プラスチック粉砕品が輸入禁止となったある国では、ABS樹脂のクロームメッキ粉砕を金属類として輸入したという話も聞きました。

私自身、プラスチックのリサイクルは環境への負荷を和らげることに寄与すると思っています。世の中が凄いスピードで変化していくなかで、少しずつでも社会の一員としての役割を果たしたいと思っています。

さいごになりますが、私的な感懐を少し述べさせて頂きます。
私は今年70歳を迎えました。還暦を過ぎはや10年です。 これまでの人生を振り返ってみると、ただがむしゃらに突っ走ってきた50年とも言えますが、ビジネスを通じてたくさんのすばらしい人に出会ったことや、多くの楽しい思い出が私の財産です。
近年は海外出張の回数は随分と減りはしましたが、まだ第一線を退いた訳ではありません。
まだまだ勉強していく所存ですので、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

〔2006年5月 本城守〕