弊社社屋が海外の書籍に掲載されました。 スペイン・バルセロナの出版社/INSTITUTE MONSA DE EDICIONE, S.Aによる『Casa en la ciudad entre medianeras / ARCHTECTUAL HOUSES』です。 英語版である『TOWN HOUSE』では、弊社社屋の写真(裏庭からのショット)が表紙に使われています。日本の建築は他に3軒、山下保博氏の『Jyu-Bako』、ITLの『Tsuchida House』、著名な建築家の隈研吾氏による桐島ローランド邸『Plastic House』も掲載されています。
弊社の設計は戸田潤也先生(近畿大学理工学部建築学科助教授)にお任せしました。戸田先生は巨匠、安藤忠雄氏の建築研究所を経て、「戸田潤也建築設計工房」を設立し、国内外の様々なコンペに入選されています。
設計時に当方より先生に依頼したのは「シンプルで威圧感を与えない、品のある建物」ということでした。ローコストを目指したため、内部の鉄骨はそのまま剥き出し(梁部のH鋼や強度上必要な×状ブレース等)で、天井も張っていません。しかし、そこは戸田先生の抜群のセンスで見事に美しい空間に仕上がっています。
西側と東側は周りを囲まれた立地上、光を採り入れるため全てガラスとなっています。
構造は鉄骨のみで強度を満たしているため、南北のコンクリート壁には耐力を求めていません。その結果、鉄筋コンクリート造のような分厚い壁の必要がなく、質感はコンクリート打ち放しでありながら、その重圧感から開放されています。正面からみると、コンクリートの壁の厚み14cmという、他ではなかなか見られないシャープな印象を持たせることに成功しています。この14cmの壁内に鉄骨造のブレースを大量に埋め込んでおり、当初の構造計算以上に強度のある建物となっています。このような構造は戸田先生も初めてだったこともあり、この特別な施工を任せられるのはここしかないと、「潟^ツミ」さんにお願いしました。タツミさんは、安藤忠雄建築の代表作のひとつである『光の教会』を施工されています。
戸田先生の建築センスとタツミさんの見事な施工で期待以上の建物が完成しました。インパクトを狙った「主張する建築」ではないため、国内では取り上げられることはありませんが、写真を見たスペインの出版社のお眼鏡にかなったようです。また欧州のサイトにも取り上げられています。
〔2006年4月〕
戸田潤也建築設計工房
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最近これとはまた別の、ドイツの出版社による「MINIMALIST HOUSES」 にも掲載されました。 〔2006年10月〕 |