下記は旧サイト作成1999年時点での『リサイクル原料の使用と価格』をレポートしたものです。読み直してみると、ここ数年の原油高騰に伴うプラスチック原料価格の度重なる値上げをみると隔世の感があります。
一級品価格のあまりの値上りに、国内の需要家も再生原料を使わないわけにはいかない状態になりました。大手の成形工場でも以前は売却していたランナーや打ち抜きなどの成形ロスを、粉砕加工に出し自社で再利用するところが増え、市場にでる再生原料の不足を招いています。
文中にあるようにまさに一般汎用プラスチック原料1キロとガソリン1リッターが同じ値段、あるいはそれ以上になってしまいました。そのようなわけで、前世紀に書いた下記記事も逆に現在の参考になるのではないかとそのまま掲載致します。また早晩、1999年のようにプラスチック価格が下落しないとも限りません。先のことは誰にもわからないのですから。
また、ここ数年中国での原料価格も従来の動きとは変わってきています。 以前は1年の中で旧正月明けの春先から夏前、そしてクリスマス商戦用の商品を製造する秋口にホットシーズンと呼ばれる需要期があり、この期間にはプラスチック価格は上昇し、非需要期(クールシーズン)には下落するというのが一般的でした。もちろんその需要の強さにより上げ幅、下げ幅が変動したわけです。が、ここ数年はこの需要期との関連では価格は大きく動いていないようです。では何によって変動しているかというと、ダイレクトに原油価格の変動により価格が上下するようになっています。まあ、原油相場を確認していれば中国の樹脂相場も概ね把握できる、ということで言うと分かり易いですが、今後の動きはどうでしょうか。
〔2006年5月執筆〕