プラスチックの成形法とロスの発生


プラスチック製品の製造法として、製品の形状により大きく分けて下記の三種類があります。

射出成形(インジェクション成形):injection molding
樹脂を溶かして、スクリューなどにより雄と雌の金型に加圧注入充填し、冷却し取り出す成形法
代表例:テレビ(ABS)、洗面器(PP)


中空成形(ブロー成形):blow molding
金型内に樹脂を溶かしてパイプ状に押し出し、その後パイプ内に空気を注入、金型密着と同時に冷却 して中空体を得る成形法
代表例:灯油カン(HDPE)


押出成形:extrusion
樹脂を溶かして板状に押し出すシート成形、パイプ状に空気を入れて吹き上げ作るフイルム成形、 鉄線、銅線を溶かした樹脂の中を引張り作る電線などがある。


真空成形:vacuum forming
金型(雌型あるいは雄型いずれか一方のみ使用)に、加熱軟化させたプラスチックシート(板)を 乗せ、空気吸引により型とシートの間を真空にしシートを型に密着させ成形する方法
代表例:タマゴパック、カップラーメン容器等包装容器

いずれの成形法も、製品が完全な商品に成形されるまでに必ずロス(金型温度が安定するまで製品が 変形したり、押出成形では、生産開始時フイルム、シートの肉厚が安定しない等)が出ます。また、 安定後も、樹脂注入に必要なスプールランナー、バリ、パリソン(ブロー成形)、真空成形における 打ち抜き残などが発生しロスとなります。
弊社ではこういった生産工程にて発生するロスを中心に収集し、リサイクルプラスチックとして販売し ております。



執筆 本城 守


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